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世界初のブリ属魚類向けⅢ型α溶血性レンサ球菌症 予防ワクチン販売開始のお知らせ
共立製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙居 隆章、以下「当社」)は、2025年5月12日よりブリ属魚類向けⅢ型α溶血性レンサ球菌症 予防ワクチン「ピシバック®注 レンサα3 oil(以下「本ワクチン」)」の販売を開始したことをお知らせします。
世界初!ブリ養殖で最も被害が大きい α溶血性レンサ球菌症を予防する3価混合ワクチンの販売開始
現在確認されている全てのα溶血性レンサ球菌症を網羅した唯一のワクチン
日本の海面養殖ではさまざまな疾病が問題となっていますが、なかでもα溶血性レンサ球菌症(※1)はブリ属魚類(ブリやカンパチなど)やシマアジを中心に魚病被害が大きい疾病の1つとされています。α溶血性レンサ球菌症については、これまで2種類の血清型(I型、II型)が知られていましたが、2021年より新たにIII型が確認されました。その後、この新たな型による被害が複数の海産魚種で報告されており、広範囲な養殖魚種への被害拡大が懸念されています(※2)。このIII型は既承認ワクチンでは予防できないことが当社実施の試験で明らかになったことから、本ワクチンの開発に至りました。
本ワクチンは、当社の既承認ワクチン同様、ブリ属魚類の腹腔内に注射を行います。本ワクチンにより、血清型に関わらず、現在ブリ属魚類で発生が確認されている全てのα溶血性レンサ球菌症を予防することができます。
販売に先立ち、2025年3月17日~18日に開催された日本魚病学会春季大会では、III型のα溶血性レンサ球菌症原因菌において薬剤耐性菌株の出現が報告されました。本ワクチンによる予防対策を普及することで薬剤耐性(AMR)対策にも寄与することが期待されます。
当社はこれからも安心・安全な養殖魚の生産に貢献すべく、日本の水産養殖における魚病対策に挑戦し続けます。
※1:1974年に初めて発見されて以来、養殖業者に多くの経済損失を与える魚病。感染したブリは一般的に出荷できないとされています。
※2:新たな型と思われるα溶血性レンサ球菌に関する調査結果
農林水産省HP:www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_yobo/attach/pdf/index-61.pdf
【ピシバック®注 レンサα3 oil概要】
3種類の血清型(Ⅰ、ⅡおよびⅢ型)のα溶血性レンサ球菌症を予防する世界初のワクチン。本ワクチンを投与することで現在確認されている全ての血清型に対して有効性を発揮します。
なお本ワクチンは、カンパチにも使用可能なオイルアジュバントワクチンであることから、水性ワクチンより免疫持続が期待できます。