わんにゃん豆知識

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(学術監修:石田卓夫先生)

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感染症 / 犬編

第3回:怖い・犬の感染症(2)
はじめに

本講座3回目は、「ノンコアワクチン (全ての犬に必要なワクチンではないが、必要に応じて接種が推奨されるワクチン)と呼ばれるものに含まれる感染症」に分類される犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ病、犬パラインフルエンザ感染症について解説します。

犬コロナウイルス感染症
症状

犬コロナウイルス感染症は、Coronaviridae科Coronavirus属Group1に属する犬コロナウイルス(CCV)によって起こるウイルス性の感染症です。犬パルボウイルス感染症ほど重篤となることは少なく、成犬が犬コロナウイルスに感染しても症状の出ない不顕性感染で終わることも少なくありません。

しかし、子犬が感染した場合、下痢、嘔吐、元気消失、食欲減退などの症状が現れ、激しい胃腸炎を起こします。便はオレンジ色をおびた粥状で悪臭を放ち、血便となることもあり、ひどい場合には死に至ることもあります。また犬コロナウイルス感染症は、犬パルボウイルス感染症と混合感染することが多く、その場合はより重篤な症状となり、死亡する危険性がより高まります。

治療法

本感染症は治療が必要ない軽度の症状の場合もありますが、下痢や嘔吐などが激しい場合には、脱水症状の緩和のための点滴や二次感染予防のための抗生物質投与などの対症療法を行います。場合によっては、下痢や嘔吐を抑える薬を用いることもあります。
集団飼育をしている場合には、他の感染症と同様に感染した犬の速やかな隔離と徹底した消毒を行う必要があります。

予防

犬コロナウイルス感染症の予防にはワクチンが有効です。このワクチンには、化学処理などにより病原体を死滅させたウイルスを使用する不活化ワクチンと病原性を消失させ生きたままのウイルスを使用する弱毒生ワクチンがあります。
本ワクチンは、通常、他の抗原と組み合わせた「混合ワクチン」として使用されます。不活化した犬コロナウイルスを含んだ混合ワクチンとして「キャニバック6及び9」などがあります。

犬レプトスピラ病
症状

犬レプトスピラ病は、ネズミ等の野生生物が主な感染源と考えられ、人をはじめとする多くの哺乳類が、感染・発症する病気(人と動物の共通感染症)です。
犬レプトスピラ病は、主に病原性レプトスピラ菌(レプトスピラ菌)に汚染された土壌や水を介して感染する細菌感染症です。レプトスピラ菌に感染した犬は、症状の出ない不顕性感染で終わることも少なくありませんが、発症した場合には特に肝臓や腎臓に障害が現れやすく、発熱、出血、黄疸、腎不全や乏尿などの症状が認められ、ひどい場合には死に至ることもあります。

治療法

犬レプトスピラ病は、感染の初期であれば抗生物質での治療が可能です。
脱水症状が見られる場合は点滴などの対症療法を行います。

予防

レプトスピラ菌には血清型が異なる数多くの種類が存在することが知られています。しかし、犬において流行している種類は限られていることから、犬レプトスピラ病の予防にはレプトスピラワクチンが有効です。

このワクチンには化学処理などによって病原体を死滅させた不活化ワクチンとして「キャニバック9」があります。

犬パラインフルエンザウイルス感染症
症状

犬パラインフルエンザウイルス感染症は、Paramyxoviridae科Paramyxovirus属のパラインフルエンザウイルス(CPIV)によって起こる呼吸器症状を特徴とするウイルス性の感染症です。この感染症は、CPIVに感染した犬の咳やくしゃみなどの飛沫物によって感染します。

CPIVに感染すると、咳や鼻水が出たり、発熱、元気・食欲の低下など風邪同様の症状が現れます。
一般的にこの病気の単独感染では症状が軽いとされていますが、他のウイルスや細菌などの病原体と混合感染すると症状が重くなります。
特に犬アデノウイルス2型(CAV2)やボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bb)などとの混合感染は、「ケンネルコフ(第4回参照)」と呼ばれ、集団飼育されているような場所では、しばしば問題となります。

治療法

CPIV単独感染の場合は治療の必要がない軽度の症状の場合もありますが、ケンネルコフなどのように混合感染により症状が激しく認められる場合には、咳の緩和のための鎮咳薬の吸入治療や投薬、二次感染予防対策として抗生物質投与などの対症療法が行われます。
更に体力の回復のための点滴や栄養剤等の投与を行い、免疫力の向上をはかる場合もあります。
集団飼育をしている場合には、他の感染症と同様に感染した犬の速やかな隔離と徹底した消毒を行う必要があります。

予防

犬パラインフルエンザウイルス感染症の予防には、犬パラインフルエンザウイルス感染症ワクチンが有効です。このワクチンは、免疫原性を残して病原性を消失させた弱毒生ウイルスを抗原とするものが一般的です。
本ワクチンは、通常、他の感染症に対するワクチンと組み合わせた「混合ワクチン」として使用され、当社では、「キャニバックシリーズ(キャニバック5、6及び9)」として販売しています。



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