2014.10.14

南の島の小さなウミウシ

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日本からグアムを経由し8時間。赤道を越えて約7000km。フィジー観光の玄関口、ビチレブ島のナンディに到着。人口約94万人、およそ330の島々から成るフィジーは日本の四国ほどの面積しかない。

意外だったのは朝昼晩カレーを食す人をよく見かけたことだ。
英国の植民地だったフィジーには、サトウキビ農園の労働者としてインド人がたくさんこの地に移住してきたインド系住民が全人口の4割りを占めている。

公用語は英語。挨拶は「BULA(ブラ)!」。

ナンディから定期船でマナ島に降り立つと人々ははちきれんばかりの笑顔で「BULA!」と出迎えてくれた。
マナ島はフィジーを代表する自然豊かな離島のリゾート。
この島にやってきた目的は海の宝石「ウミウシ」に会うため。

カラフルな珊瑚、豊富な種類の魚で溢れる広い海の世界で指先ほどしかない小さなウミウシを見つけることが出来るのだろうか。
ウミウシは実は巻貝の仲間。進化の過程で貝殻を脱ぎ捨て現在の姿になったのだ。

ウミウシが生息する場所は浅い砂地から岩礁、水深1000mの海底にまで及ぶ。
私はさっそくウェットスーツを着用し、シュノーケルを装着し海に潜った。
珊瑚の隙間にいるウミウシを水面から見つけるのはなかなか大変だ。
粘りに粘って探し続けると珊瑚の陰に隠れているウミウシをけっこうな深さで見つけることができた!

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私が見つけたのは頭部に二本の青い角を持つミスジアオイロウミウシ。
背中から白いふさふさした毛のようなものが出ていて、危険を察知するとヒョイっと引っ込めてしまう。おもしろい。
ウミウシの派手な色は熱帯の珊瑚礁では保護色となっている。ステンドグラスのような模様や、透き通るようなブルー、鮮やかなオレンジ、イボイボな容姿などその姿形、また生態も千差万別で、種類は現在世界で3000種類も確認されているにもかかわらず未だに新種が現れるという。

二本の角で珊瑚の上をゆっくりと這うように移動する姿はなるほど、まるで海の牛。
だからウミウシなのか。
ウミウシは自分の這い跡にある化学物質を残し、その這い跡を他のウミウシがたどっていくことで、広い海の中でもウミウシが出会う確率が高くなるという。

私はウミウシの恋愛にも驚かされた。
この広い海の中で小さなウミウシが誰かにやっと出会ってもそれが自分の仲間ではななかったり、やっと自分の仲間と出会っても男同士女同士だと子づくりが出来ない。
そこで彼らは自分たちの体を変化させたのだ。

なんとウミウシは一つの体の中にオスとメスの機能を併せ持つ雌雄同体。つまり、一度の交接で両方が卵を産むことができるというわけだ。
2匹がオスとメス両方の役割をこなすことで効率よく子孫を残している。おどろいた。こんな大海でこんなに小さな命がきちんと生き子孫を残そうと努力している。

広い世界で生き抜く小さいけれども逞しいウミウシ。性格も肉食なら食べるものも肉食だ。
珊瑚、海綿、小魚、魚卵、時には仲間も食べてしまうという。

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また、ミノウミウシという種類は身を守る為に、彼らが食したイソギンチャクのトゲを自身の背中に溜めておき、敵が触れたときに発射するという。
その刺胞は1mmにも満たないわずか0.5~0.13mm。ミクロの世界で発射が行われている。おどろくべき護身術。

大概のダイバーは出会うものが大きければ大きいほど喜びもひとしおだけれど、ウミウシハンターの場合は小さいものほどありがたいという。いかに小さなウミウシに出会えるか。小さければ小さいほど見つけたときの喜びは大きいそうだ。
わたしの知らない摩訶不思議な世界がまだまだここにあった。地球は本当におもしろい。

これらの石像にも人間と動物が一体となったようなものが多かった。石像はファミリーの家紋のようなものだったのではないか。ジャガー村の人、コウモリ村の人、植物村の人等々、動物と一体となった人間像は神に近づいた証拠であったというから、この世は神が支配するというよりも、自然界に神を感じる方が強かったのではないか。

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海から上がると珊瑚が元気なフィジーの海では採れたての海ぶどうをいただいた。
海ぶどうをココナッツとタマネギと一緒に煮込み唐辛子を加えたものや、レモン、タマネギ、塩、チリソースで刺身にして食べても美味しかった。フィジーのママたちと濡れることもおかいまいなしにバシャバシャと浅瀬を歩きながらに海ぶどうの収穫。アフロヘアのお母さんたちは私と年齢が変わらなかったように記憶している。
海ぶどうを囲む女子会では、よく食べ、よく笑った。

南太平洋の十字路フィジーの海で出会ったウミウシとウミブドウ。宝石のような私の思い出。

おまけ

フィジーでは、日が暮れてもラグビーの練習に精を出す人をよく見かけた。
そう、ラグビーはフィジーの国技。
7人制ラグビー(セブンス)は少人数でも楽しめることから世界中に広まり、フィジーはセブンスで世界最強国の一つ。
「フィジーでラグビーをしない男なんて聞いたことない。みんなラグビーが趣味なんだよ!」と胸板の厚いラグビー大好きな人ばかり。
オリンピックでは未だかつてどの競技でもメダルを獲得していないフィジー。
2016年から7人制ラグビーがオリンピックの正式種目になるというから、ひょっとしたら南の島ではじめての金メダルも夢ではないかも!?
フィジーのセブンスラグビーにメダルの期待をかけてしまおうかな。

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