2014.02.11

世界のカエル事情

イメージ

正直、日常生活の中でカエルを意識して見たことが無い。
旅先で気合いの入ったカエルグッズを見かけると、つい手にし、買ってしまう。それくらい巷はカエルグッズで溢れているようだ。

イメージ

日本の諺でもカエルの登場率は高い。カエルを悪例に挙げる諺はあっても褒めるものが少ないのは何故かしら。

「井の中の蛙大海を知らず」、「蛙の行列」、「蛙の子は蛙」、「蛇に蛙」、「蛙の面に水」、「蛙の行列」と、ろくなものがない。

一方、カエルは縁起物としても人気を博している。ヒキガエルは産卵する際、産まれた池に帰る帰巣本能があるという。だてに交通安全祈願の「無事帰る」ではないのかも。

沢山の卵を産むことから子宝、豊穣、成功運のシンボルや、財運アップ、雨をもたらす神様、はたまた、カエルはクスリにもなってきた。

そう、ガマの油。

『さぁさお立ち会い!御用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいで、見ておいで!』 江戸の中期、祭りや縁日で始まる香具師の巧みな口上。

『ガマの油を取るには、四方に鏡を立て、下に金網をしき、その中にガマを追い込む。ガマは己の姿が鏡にうつるのを見て驚き、たらーりたらりと油汗を流す。』

その油汗を煮詰めた"ガマの油"は、切り傷、アカギレ、痔などに効き目があると語られる。

また、こんな話もある。咳と腹痛に悩まされていた中国のとある老人が、あるものを飲み込み、その一ヶ月後には何をしても治らなかった腹痛と咳が完治したそうな。一体何を飲み込んだのだろう、生きたアマガエル!

カエルの効果で完治したかは疑問だが、ヒキガエルの皮膚から出る分泌液には血管を収縮させる働きがあるらしい。それなら止血剤となるのも解らなくもないが、カエルの分泌液を軟膏として最初に試した人は、偉いと思った。

イメージ

前置きが長くなったが、現在ペルーではカエルをミキサーにかけ、市場で普通にカエルジュースを提供している。滋養強壮、喘息、気管支炎、精力増強に効果あり… ペルーのバイアグラ!

カエルの皮と内蔵をツルッと剥ぎ、マカの粉、ハチミツ、ウズラの卵などと一緒に鍋で煮込んだら、煮汁も残らずミキサーにかけて、特性カエルジュースの出来上がり。そのお味は・・・、ごめんなさい、わたしは試して無いので、書けない。

中国では、円卓の上でぐるぐる回されて私の前で止まったお皿の上には唐揚げにされた山盛りのカエル。中国人にニコニコと勧められ口にせざるをえなかった。原型が判らないままなら鶏肉のような味だが、細~い脚の骨が現れた瞬間ケロケロっとつぶらな瞳を想像してしまい咀嚼が停止する。

もう一度食べたいかと問われたら「NO」。
鶏肉は食べるくせに…と、ここでまたジレンマに襲われる。

「やいやい、俺様を食べといてその言い草はねえだろう。カエルだって異物を飲み込んだときは自分の胃袋を吐き出して洗浄するんだぞ。」と、カエルに指摘されてまいそうだ。

イメージ

中国をはじめ、各国に於いてはカエルを食することは、ごく普通の食文化で、決して驚くことではないのだろう。

スリランカの宿では、洗面所の蛇口をひねると水の代わりにカエルがぴょこぴょこ流れ出し、便器の蓋を開けるとカエルが"こんにちわ" と挨拶。ギャーっと私も飛び跳ねるという、実に魅力的なアトラクションが付き、おまけにカエルの大合唱のBGM。

夜中に到着した為わからなかったが、日が昇ると宿の周りは一面長閑な田園地帯だった。カエルには心地いい場所だったのだろう。

カエルは稲作の害虫や伝染病を媒介する蚊を食べてくれる。そしてそのカエルを蛇や鳥や小動物(そして人間)が食べるという食物連鎖が成立している。又、田んぼはカエルにとって恋をし、愛を育む場所。

卵が産めないほどの水質悪化はカエルにとって痛手だ。カエルの数が減っているのは、水質悪化の証拠。大気汚染の原因は人。私たちの行いが、結局は私たちに返るってことをカエルはケロッと教えてくれる環境のバロメーターだったりする。

イメージ

ペルーのシカン遺跡を訪れた時、歴史ある黄金文化は圧倒的に美しかった。しかし、私が興味を惹かれたのは人の手の温もりを感じさせる黒色土器の美しさだった。
遺跡のあった北海岸は高温で雨が少ない場所のため、人々は何よりも水がなくなることを畏れ、水を大切にした。

そのため水と関わりのある動植物が数多く土器に象られ、その中にはカエルの象形土器もあった。それは力強いカエルで現代人の感性で作るカエルよりも数倍気合いの入ったものに感じられ、およそ1000年前の人々が自然と、どのように共存し、生きてきたのか想像を巡らせるのも面白かった。

鳴き声も様々で、牛のような太い声で鳴くものも、小鳥のように高らかな美しい声のカエルもいる。鳴き声にも種類があるという。

敵に捕まったら叫ぶ "危険音" や、オスがメスに産卵を促す "求愛音" 、オスにメスと間違われて抱きつかれたオスが体を震わせながら発する "解除音"(これちょっと笑える)や、低気圧が近づくと鳴くアマガエルの "雨鳴き" など、よく耳にするカエルの鳴き声にこんなに意思伝達が含まれていたなんて……。

"所変われば品変わる"で、世界でのカエル事情を知れば知るほどひっくりかえる!

このページのトップへ