2012.09.11

ブラジルの国鳥"トゥカーノ"

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リオのカーニバルの取材でブラジルを訪れた際、お祭りの桁外れなパワーと、大自然に、特にイグアスの滝の壮大さと土地の広さに圧倒された。そして、そのスケールの大きさは鳥にまで及んでいた。

このオニオオハシ、トゥカーノの特徴はなんといっても体長とほぼ同じ位の大きなくちばし。
まるでメガホンをすっぽり顔に被せているのではないだろうかと疑ってしまう程で、体の表面積の3分の1以上を占め、鳥類の中では最大。

そのくちばしを、進化論で有名なダーウィンは、「求愛行動が目的」と唱えたが、他にも「敵を攻撃するため」、「果実に見せかける」など諸説が入り乱れ、役割や目的が定かではなかった。

ところが、近年(2009年)ブラジルの研究チームによってアメリカの科学誌に最新説が発表された。なんと、トゥカーノの巨大なくちばしは「ラジエーターの役割」を果たしているというのだ。

研究チームがくちばしの根元と先端の温度を赤外線カメラ等で調べた結果、気温が高いときにはくちばしに暖かい血液が集中し、くちばしから熱が放出され、逆に気温が低いときには熱を逃がさないようくちばしへの血流が止まっているのだという。

トゥカーノはその大きなくちばしで体温調節をしているということだ。

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実際にトゥカーノのくちばしをよく観察してみると、無数の毛細血管が見えた。まるで太陽に透かしたときの手のひらのように。更に、そのくちばしに触れてみるとほんわり暖かいことにも驚いた。

くちばしは六角形の穴が並んだハニカム構造で中は空洞。
求愛の時期にはオスとメスがお互いのくちばしを使って果物を投げ合ったり、口移しでオスがメスに果物を捧げたりするのだという。

なんともユニークで派手なくちばしを持つスター性を秘めた鳥、トゥカーノ。

くちばしで敵を威嚇することはあっても戦いに用いる事はないという。心のスケールも寛大な鳥なのか。

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猛々しいイグアスの滝、リオのカーニバルのとてつもないパワー、土地の広大さ、ダムの巨大さ、人々の炸裂したエネルギー、なにもかもスケールが大きいブラジルだが、大自然の中で生きていく鳥のくちばしに触れ、あらゆる生命の力強さを教えられた。

トゥカーノを通じ、地球のエネルギーそのものを強くあたたかく感じさせてくれた大きな大きなブラジルだった。

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